すべて渉猟する気概を持つ
先行研究とは
先行研究とは、自分が研究しようと思っているテーマに関連する論文である。
例えば、大学教員になるには 研究計画書を書くで紹介してきた海原(2018)、山岡(2019)、富井(2020)がそれにあたる。
先行研究をまとめる意義
では、なぜ先行研究について調べてまとめなくてはいけないのだろうか?
これは答えが簡単である。
先行研究と同じことをやっても意味がないからである。
意味がないは言い過ぎでも、やる価値は低い。
なぜならば研究には新規性が求められる。
どんな些細なことでもいいので、世界中の誰も明らかにしていない「何か」を明らかにする必要がある。
こんなことを書くと、難しいことに聞こえるかもしれないが、本当に小さいことでもいいのだ。特に修士論文ではそれほど大がかりなことは難しいだろうから小さくても気にすることはない。
先行研究の見つけ方
では、どうやって先行研究を見つけるのか?
- 指導教官に聞く
- 大家の本を読む
- CINII(サイニ)※シャイニーではない
- Google Scholar
まずは、指導教官に聞くのが確実だ。なんせ指導教官はその分野のプロである。無理して自分で調べ始める必要はない。
なかには「自分で調べることが勉強だ!」という指導教官もいる。
そのとおりだが、1冊くらいは教えてもらえるように努力しよう。
それと並行してCINIIとGoogle Scholarにて調べるといいだろう。
CINIIを使用する際、注意点がある。それは、玉石混淆である点だ。
検索になれてくると、自分でジャッジすることができるようになるが、最初はどれが良質で、どれが粗悪なものかわかりにくい。
最初は気になるものについてすべて読んでみることをお勧めする。
読んだあと「騙された~!」という思いが、論文選定能力を上げてくれる(かもしれない)。
ここからはよく受ける質問について紹介する。
- 検索すると論文がいっぱいでてきた。全部読まなくてはいけないの?
-
基本はイエス。ただし、あまりに数が多い場合は、検索キーワードを2つ3つ追加入力して検索するとよい。
また、明らかに読まなくてもいいものも存在するので注意が必要である。
どれを読まなくていいかは分野によるところもあるので抽象的に伝えるのは難しい。 - どんな論文が優良な論文なの?
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著名な学会誌に掲載されている論文である。著名な学会は分野によるので指導教官に聞いてみよう。なお、著名な学会誌でもよくない論文は存在するが、それを言い出したらきりがないのでまずは著名な学会誌に掲載されているものを読んでみよう。
- 先行研究の書き方がわからない。
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指導教官の指導内容が、抽象的で結局、書き方がよくわからなければ、良質な先行研究論文を紹介してもらおう。
論文紹介をしてくれないようだったら、ガムシャラに書いて指導教官に添削してもらおう。
論文添削をしれてくれなかったら先輩にみてもらおう。
先輩がいなかったら、えーと…。うーん。
指導教官の指導方針によるので難しい問題だが、効率的に書くことを嫌がる教官もいる。その気持ちもわかる。
「君はゲームをするとき攻略サイトやyoutubeの解説を見ながらやって楽しいのか!」といったことである。
一方で、「型を学ぶことが一番だからこのとおりに論述するようにしなさい」という教官もいる。
あなたに対して指導教官の熱意があるのであれば、最終的にどちらでも構わないと思う。
もし、正真正銘放置型指導だと、あなたにとって大問題であるが、その対策のお話は主題とずれるのでいずれかの機会に。
ちなみに僕は、意図的放置型で指導された。遠くから見てくれるタイプの先生で本当に困るまでは試行錯誤することを求められた。
大変なこともあったが僕にはこのスタイルがあっていた。
このあたりも受験前事前面接のときに確認できるといいと思う。
次回は「大学教員になる方法 修士論文 研究方法を考える」について説明する。