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大学教育の特徴

最近、よく聞かれるのが、

どうやったら大学の先生になれるんですか?

ということである。

一言でいえば、求人をみて応募するということに尽きるのだが、きっと聞きたいことはそういうことではないと思うので、大学教員になるまでの流れについて紹介しようと思う。

なお、これは文系、しかも僕の知っている1サンプル(知り合いも含めて25サンプルくらい)に過ぎない。

参考になれば幸いである。

目次

大学教育と小中高の違い

大学教員を知る

大学教員になりたいと相談されたときに一番困るのが、何か勘違いしているのでは?と感じるときである。

具体的には、「人に何か教えたい!」という動機が一番の人である。これはこれで間違いではないのだが、研究の結果を教育に還元するということが重要なのである。

小中高までの教育と違うのは、
「答えがないものについて考える」
ということであろう。

例えば小中高と大学の授業の差を見てみよう。

小中高の授業の場合

先生「645年は乙巳の変が起きました。中大兄皇子が蘇我入鹿を打ち取った事件です。理由は、蘇我氏の専制を止めるためです。テストでるから覚えるように。」

大学の授業の場合

先生「乙巳の変は、中大兄皇子が蘇我入鹿を打ち取った事件です。理由は一般的に、蘇我氏の専制を止めるためと考えられていますが、日本書紀編者による潤色が加えられている可能性が高いです(鈴木2018)。そのため、この事件の背景を研究している最中です。結果がわかったら皆さんにもお伝えします」

文献:鈴木正信(2018)「蘇我氏とヤマト政権」佐藤信編『古代史講義-邪馬台国から平安時代まで』ちくま新書を参照にした)

このように、未だ未解明のものを明らかにするのが大学教員の役割だ。そしてわかった内容を学生へ還元する。

小中高の先生も事件の背景ついて様々な学説があることを説明するかもしれないが、あまり複雑に説明しても子どもたちに混乱をきたしかねないし、教えることがいっぱいなので、それどころではないだろう。
一つはっきりしているのは小中高の先生が業務として研究するというのは、ほぼないということである。(あったとしたらだいぶレアな事例だろう)

周りを見渡す限り、教育したくて大学教員になった人は少数派だ。
教育したくて大学教員になることが第一の動機でも構わないのだが、それだけだと、きっとこの後に説明する修士を修めることが極めて難しいと感じる。

というわけで、大学教員の業務内容を正確に知ることで、本当に大学教員になりたいのかどうか考えることから始めることをお勧めする。

なぜ、小中高ではなく、大学教員になりたいのかということを改めて自問することが重要な一歩だろう。

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