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大学教員公募の教育・研究に対する抱負の書き方

大学の特色を必ず入れよう。

前回は、履歴書の書き方についてを紹介した。

今回は書類審査に必要となる教育・研究に対する抱負の書き方について紹介する。

目次

その教育に対する抱負はほかの大学に提出することが可能なのか?

もし、提出可能であれば、残念ながら駄作である。きっと、どの大学にだしても受かることはない。

なぜか、学部3年生が就活の時に実施する自己分析や企業分析を全くしていない教育の抱負が多い。

「自分は研究者だから教育はそこそこしか考えてない!」と思っているのであれば、すぐにその考えを捨てよう。

旧帝国系の事情はわからないが、一般私学であれば丁寧な教育は必須であり、学生が選ぶ立場である。これは少子化によって避けられない流れである。

そういった方の抱負は読めばすぐに見透かされてしまう。あんまり教育が好きでなくても腹をくくって教育について真面目に考えよう。

AP、CP、DPを理解する

この言葉を知らない人のために簡単に説明する

  • DP(ディプロマポリシー)
  • CP(カリキュラムポリシー)
  • AP(アドミッションポリシー)

まずは文科省の説明をみてみよう。

ディプロマ・ポリシー
各大学,学部・学科等の教育理念に基づき,どのような力を身に付けた者に卒
業を認定し,学位を授与するのかを定める基本的な方針であり,学生の学修成
果の目標ともなるもの。
カリキュラム・ポリシー
ディプロマ・ポリシーの達成のために,どのような教育課程を編成し,どのよ
うな教育内容・方法を実施し,学修成果をどのように評価するのかを定める基
本的な方針。
アドミッション・ポリシー
各大学,学部・学科等の教育理念,ディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポ
リシーに基づく教育内容等を踏まえ,どのように入学者を受け入れるかを定め
る基本的な方針であり,受け入れる学生に求める学習成果(「学力の3要素」※
についてどのような成果を求めるか)を示すもの。
※(1)知識・技能,(2)思考力・判断力・表現力等の能力,(3)主体性を持
って多様な人々と協働して学ぶ態度

文部科学省(2016)「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー),「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受入れの方針」(アドミッション・ポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン(案)https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/015/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2016/03/15/1368304_01.pdf

少し難しいのでざっくりとかみ砕くと、DPは、どんなふうに学生を育てて、どんな学生を卒業させるのか、CPは、どんなカリキュラムを提供するのか、APはどんな学生を入れるのか、ということである。

これらの3つポリシーを理解する必要がある。

ダイレクトに「本学の3つのポリシーについてあなたの所感を聞かせてください」とは聞かれないと思うが、これらを知っていることは前提になるだろう。

平たく言えば「きちんと企業(大学)分析をしているか?」ということである。

確かにものすごく面倒なことであることは理解できる。しかし、分析もしないで、小手先の抱負を書かれても、こちらは何も響かない。ほんとに。

どんな教育を提供できるのか、これまでどんな教育をしてきたのか

普通の私学であれば、教育力は知りたい。しかし、論文と違って定量的にこちらが理解することが難しい。どうしてもこれまでのキャリアや事例についてから推し量るしかない。

おそらく、大学教員になりたいと考えているのであれば、非常勤講師はしたことがあるだろう。その時どのように工夫してわかりやすく教えていたのか記載するのも良いだろう。

もし、教育歴が何もなければ、何か非常勤講師をやってみよう。非常勤講師であれば、受かる可能性は高い。どこも人手不足で人材確保が難しい。

加えて、「教えるの好き」っていうのをにおわせることも重要だろう。

もし、必要書類が「教育・研究に対する抱負」というように1枚に教育と研究の2つを盛り込む場合は、経験的に教育6、研究4の割合が良いと思う。研究は研究業績書があるので、ここで大量に書かなくても研究業績書でカバーすることが可能なためだ。

どうしても教育が好きではないという人は旧帝国系を目指そう。(旧帝国の先生方すみません…)私学よりは、教育しなくて済むと思う(たぶん)

研究の抱負はアブストラクトや科研費応募の気持ちで

こちらは教育の抱負ほど、頭を使わなくていいと思う。あなたがこれまで行ってきた研究成果について述べるだけだ。皆さんにとってはイージーなことだろう。

先日も相談を受けたばかりなのだが、「どのくらいのテンションで書いたらいいでしょうか」というものだ。

どのくらいというのは、原著論文の考察くらい、科研費応募書類、比較的優しい学会、怖い学会である。まだわかりにくいと思うので、もう少しかみ砕くと、原著論文の考察は、結果から飛躍させすぎないということが重要であり、あくまで結果からいえる範囲に限定して書くことが重要だ。

つまり、「かなり控えめ」

科研費応募書類は、「私にお金くれたら日本いや、世界の幸福につながる」みたいに貢献度重視で書く。

つまり、「パフォーマンス重視」

私の所見ではパフォーマンスよりでよいと思う。

というのも、あなたの研究を心底で理解できる人材はそうそういない。であれば、やや言い過ぎたとしても、あなたがとっても素晴らしい研究をしていて、社会貢献をしているということを書いた方がいいと考えている。

まあ、明らかに書きすぎは研究者の態度としてよろしくないので、このあたりの匙加減は難しい。

ただ、一つ言えることは奥ゆかしすぎると、履歴書の山に埋もれてしまい、面接の機会すらなくなってしまうことだ。主観的な内容でもあるので、院生同士でチェックしあったり、懇意にしている先生にチェックしてもらったりと客観性の確保をすることも重要である。

次回は、受かる教育・研究業績書の書き方について紹介する。

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